No.1470 2016/10/21(金)

 ハリカメムシの幼虫


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 木更津市内の丘陵地にて。タニソバの葉上にカメムシの幼虫がいるのを見つけた(写真1)。前胸(頭の後の「肩」のように見える部分)の左右が棘(とげ)のようにとがり、触角は扁平な翼状に広がっている。どうやらハリカメムシの幼虫らしい(写真2)。翅芽(しが;将来、翅になる部分)がだいぶ伸びているので終齢幼虫と思われる。
 角度を変えてみると、腹背(腹部の背面)にも2対の棘があり、全体に棘だらけの印象がある(写真3)。
 この幼虫を持ち帰って観察していたら、一週間後に最後の脱皮を終えて成虫になった(写真4)。前胸の両側の棘以外は突起がなくなり、触角も細い針金状となって、全体に端正な印象に変わった。
 以前、多数のハリカメムシがマルミノヤマゴボウの花に集まっているところを観察した(写真5)。タデ科とヤマゴボウ科は比較的近縁とされている。
 (尾崎煙雄)

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写真1
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写真2
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写真3
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写真4
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写真5
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 タニソバ Persicaria nepalensis(タデ科)

 ハリカメムシ Cletus rusticus(ヘリカメムシ科)

 マルミノヤマゴボウ Phytolacca japonica(ヤマゴボウ科)

 


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