フィールドノート No.2180

 2022/09/23(金)

 排水溝のアナグマ

 旧三島小にて。教室博物館で机に向かっていると、視界の端に茶色いものが動いた。見たらアナグマであった(写真1)。

  • 写真1 あっアナグマだ

 旧三島小ではアナグマは度々目撃されているようだが(教室博日記No.1653No.1890)、ここに来る機会の少ない私にはなかなかない出会いだ。私がちょっと動いてほんの一瞬目を離したら、気配に驚いたらしいアナグマの姿が急に消えた(写真2)。

  • 写真2 あれ?いない

 そんな一瞬でいなくなるわけはない、と目を凝らしてみると、草の一部が不自然に揺れている。草で隠れていてよく見えなかったが、先ほどアナグマはU形排水溝(側溝)の上にいたらしい(写真3)。草が揺れているのは排水溝の入口だ。さらに静かに見ていると、排水溝の中から再びニュッと現れてこちらを窺い出した(写真4)。

  • 写真3 アナグマが隠れていた排水溝(アナグマが去った後に撮影)
  • 写真4 排水溝からこちらを窺うアナグマ

 私が動かずにいると、安心したのか排水溝から完全に出てきてくつろぎ始めた(写真5)。なんだか私よりよっぽどここに慣れた様子で、こちらが「お邪魔しています・・・」と言いたくなる風情だ。

  • 写真5 くつろぐアナグマ

 しばらくのんびりした後、のっそりと歩いていなくなった(写真6)。

  • 写真6 去るアナグマ

 アナグマは名前通り巣穴を掘って生活する動物だが(でもクマではなくイタチの仲間)、人間が作ったコンクリートの排水溝もちょっとした隠れ場所として利用しているのだな、と実感したできごとだった。

  • アナグマ Meles anakuma(イタチ科)

(西内李佳)