29 佐倉厚生園

(旧堀田邸)


所在地 佐倉市
竣工年 M23
所有者 (財)日産厚生会佐倉厚生園
設計者 西村市左右衛門
施工者 西村市左右衛門
構造 木一部2
外壁 板・土壁
屋根形状・葺材

寄棟造,浅瓦葺

建築規模 710.74m2

最後の佐倉藩主佐倉正倫は,廃藩置県後は東京に移住したが,旧封の地に永住する意を固め,旧城址にほど近い浅間台に土地を求め,佐倉別邸を建設した。建設に携わった工匠は,建築が大工棟梁西村市左右衛門,造園が庭師伊藤彦右衛門で,いずれも東京から招請した技術者である。建設工事は明治22年着工,翌23年に竣工している。

別邸の敷地は,南西に開析された台地上の先端に造成され,南に広大な芝生を中心とした緩やかな起伏のある庭園の後方に,大小の建築群をほぼ横一列に並べている。北側にある黒塗りの冠木門を入った突き当たりに式台付き玄関を構え,南側に大広間と東側に茶室が独立して建ち,渡り廊下で連絡されている。玄関棟の西側に続く部分が日常生活の中心で,2階建と平屋を連ねた内向きの居室に,さらに書院を斜め向かいに建て,渡り廊下で繋いでいる。すべて伝統的な技法・様式になる明治期の華族の住居であるが,接客部分の格式に対し,日常生活部分は簡素な数寄屋造の手法が採用されている。[事務局]

玄関
広間

 

書院
大広間

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