2.個別解説

にいじゅくぜき

1 新宿堰


東庄町
産業関係・農業・堰堤

堤高11m,堤長100m,貯水量25,000m3
1912(明治45)年

JR成田線の下総橘駅から北西の方向に1kmほど線路に沿って進むと,線路に直角に一本の細いあぜ道が走り,そのあぜ道を山側の方に向かっていくと正面に草の生えた大きな斜面が見える。正面から見ただけでは堰があることは全くわからないが,斜面を登ると堰の水面が広がっている。

堰の堤高は11m,堤の全長は100mで,堤の下には水田があり,資料調査を行った際も堰から水路を通って水が下部の水路に流れ出していた。建設省利根川下流事務所の話によると,堰の所有者は国となっているが,堰の鍵は代々の東庄町新宿区区長が管理し,水量の調節等を行って施設周辺の農業用水として使用してるとのことであった。この堰の水を農業用水として利用している農家の戸数は65戸に及び,その総受益面積は40haとなっている。

堰が水田に比べてかなり高い位置にあるため,堰の面積はそれほど広くないが,満水面積で1.3ha,流域面積は約7haとなっている。また,最大貯水量は25,000m3である。

取水施設の概要としては材料がヒューム管,管径は350mmで管の延長は30mである。余水吐の形式は開水路流人式で流入口の材質はコンクリートとなっている。

堰の築堤年は1912(明治45)年である。

(池田文彦)

写真1-1 堤中央から堰を望む (1997年) 写真1-2 堤の西端近くから見た堰 (1997年)
写真1-3 流入口 (1997年)

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