たきょうばし
38 田京橋
鋸南町 |
交通関係・道路・道路橋 |
全長8.20m,幅員5.60m
1927(昭和2年) |
県道鴨川保田線(長狭街道)上にある鉄筋コンクリート橋である。延長8.20m,幅員5.60mで1927(昭和2)年に架設された。
橋は,桁橋で上流側,下流側ともに親柱と高欄がつけられている。親柱は直方体であり,上部にはスリッドが入っている。さらに,その親柱には橋銘板が埋め込まれていた痕があるが現在は残っていない。また,高欄部や床板部のコンクリートの一部は,浸食されて鉄筋がむき出しになってしまっているところもある。デザイン的には,高欄部の中央の柱が他の柱に比べ少し太くなっているのが特徴的である。
田京橋の架かる長狭街道は,1878(明治11)年に新道建設のための工事が計画され,1885(明治18)年に開通し,馬車の通行が可能となった。1897(明治30)年に,この道路は県道に編入されて,県費による大改修が施行され1899(明治32)年にその工事も完成した。このように完成した長狭街道によって,天羽町や長狭町の生産物は,ほとんどが荷馬車によって保田港まで運搬され,渡海船によって,京浜,横須賀方面に輸送されるようになった1)。
現在,国道127号線から分岐して,横根の郡境までの延長9705mの問には6つの橋が架けれており,どれも同じようなデザインの橋である。その中でこの田京橋は,1927(昭和2)年に架けられた最も古いものである。
(小早川 悟)
地形図 「保田」 「金束」(略)
写真38-1 田京橋全景(1997年) | 写真38-2 田京橋高欄(1997年) |
参考文献
1) 鋸南町史編纂委員会: 鋸南町史,国書刊行会,1969年