たくさんの種類の貝たちが植物を食べています。巻貝の仲間(腹足類)では、サザエやアワビといったお馴染みの貝や、ウノアシガイやキクノハナガイなどの笠型の貝、殻を失ったアメフラシなどが藻食性です。また、ヒザラガイの仲間(多板綱)もほとんどの種類が藻食性です。
これらの仲間は、海底に生えている植物(海藻や微少な藻類)を歯舌という摂餌器官を使って、削り取ったり、すりつぶしたりして食べています。
潮が引いた磯では、笠型の殻を持つ様々な種類の貝を見ることが出来ます。これらの貝を総称して「カサガイ類」と呼びます。カサガイ類は、岩の表面に生えた微少な藻類を削り取るようにして食べています。 また、カサガイの仲間のウノアシガイやキクノハナガイなどは、帰家行動をとることが知られています。これらの貝達は岩の表面のくぼみを自分の家にしていて、餌を食べに色々なところに出かけても再び家に帰ってくるのです。 |
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ウノアシガイ |
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サザエやアワビは大型の海藻を食べています。これらは食用として重要な貝で、卵から育てた稚貝を放流することが各地で行われています。 アワビは餌とする海藻の種類によって、殻の色が変わってくることが知られています。ワカメやコンブなどの褐藻類を餌にすると緑色の殻になり、アマノリやオゴノリなどの紅藻類を与えると赤茶色になります。アワビを種苗生産するときには褐藻類を餌にすることが多いために、写真のように緑色の殻になります。 放流されたアワビは自然の中で様々な種類の海藻を食べて成長します。そのため、新しく成長した部分の殻は褐色に近い色になりますが、放流前に出来た緑色の部分は残ります。 |
種苗生産された クロアワビの稚貝 |
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