《少女像》 1916〜18 油彩・カンバス・額  39.0×30.0cm
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ルノワール

1841〜1919:Pierre-Auguste RENOIR

 夢見るような少女の表情と、ふくよかな体つきが、赤、黄、茶褐色などの暖色を用い柔らかなタッチで描かれている。
 ルノワールは、陶器の絵付けの仕事から画家を志し、モネやシスレーと知り合い、コロー、ドラクロア、クールベを学んだ後、印象主義の運動に加わった。しかし、イタリア旅行をきっかけに、渋い色調の明確な線と構図による古典主義に転じるが、1890年頃からルノワール風と言われる豊麗な色彩によるおおらかな量感表現に戻り、女性像や子どもをモチーフに描いている。晩年は、リューマチで身体が不自由となり、絵筆を手にくくり付けて、生の喜びを描きつづけた。
 この作品は、晩年に描かれ、死後アトリエに残されていたもので、画面右下のサインは、アトリエスタンプと言われるものである。(前川公秀)