ジョルジュ・ビゴーは、フランス・パリで生まれ、エコール・デ・ボザール(美術学校)でジェ ロームに師事しました。その後、サロンに出入りし日本美術の知識を得て、日本に対する思いを強めました。明治15年に初来日し、陸軍士官学校の図科教官を勤めました。日本での滞在は18年間にもおよび、その間各地を旅行し、日本の風俗を題材にした作品を多数制作しました。明治25年頃から約5年間千葉市稲毛海岸に設けた自分のアトリエ周辺の景色を描いたこの作品は、当時の漁婦と海岸の情景が良くわかります。この写生地は、現在は埋め立てられ、かつての面影は ほとんどなく、現在国道357号線沿いにある稲毛浅間神社の一の鳥居は、作品中の左の海中に見える鳥居とほぼ同位置に再現されたものです。
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