作家について

1999年 軽井沢にて 撮影:Jan Friis

藤田喬平 [1921(大正10)〜2004(平成16)]は、東京に生まれ、東京美術学校卒業後、本格的にガラスの世界に入りました。1960年代後半には、ガラス素材の特性を生かした「流動ガラス」を、1973年からは藤田の代表作ともいえる「飾筥」作品を発表し、国内外から高い評価を受けました。50歳を過ぎてからもイタリアのヴェネチアで伝統技法を学び、レースガラスやオブジェなど新たな作品にも積極的に取り組んだことで知られています。 色ガラスの持ち味を生かし、日本の文化や伝統美を反映させた作品や、優れた色彩感覚と造形力で芸術性の高い作品を残した藤田喬平のガラスの世界をお楽しみください。

1975年 東京の工房

1975年 東京の工房

1999年 埼玉の工房
撮影:Jan Friis

1999年 ARS工房(ヴェネチア)
撮影:Jan Friis

1921(大正10)年 4月28日 東京都新宿区に生まれる
1944(昭和19)年 東京美術学校工芸科彫金部卒業
1946(昭和21)年 第1回日展に金工作品を出品し入選(以後不出品)
真赤土工芸会に入会(1956年まで参加)
1947(昭和22)年 4月岩田硝子製作所に入社、49年に退社し独立
1955(昭和30)年 市川市北方に移住
1957(昭和32)年 初の個展「藤田喬平手吹きガラス器新作展」を開催
1972(昭和47)年 日本ガラス工芸協会発足し同会監事に就任
1975(昭和50)年 「世界のスタジオグラス展」に招待出品(デンマーク、フィンランド)
1976(昭和51)年 日本ガラス工芸協会会長に就任
1977(昭和52)年 ヴェニス、ムラーノ島で制作を開始(以後2004年まで毎年継続)
1981(昭和56)年 オレフォス社(スウェーデン)でクリスタルガラス作品を制作
1982(昭和57)年 「第1回世界現代ガラス展」に招待出品(第4回展まで)
1984(昭和59)年 「第23回日本現代工芸美術展」に招待出品(2004年まで出品)
1988(昭和63)年 シドニー「世界クラフト会議(WCC)」に日本代表として参加
1989(平成元)年 恩賜賞・日本芸術院賞受賞 日本芸術院会員に就任
1996(平成8)年 藤田喬平ガラス美術館開館(宮城県松島)
1997(平成9)年 文化功労者
2002(平成14)年 文化勲章受章
2004(平成16)年 9月18日 逝去、享年83