サナブリ
【田植えが無事に終了したことを感謝し、田の神を送る、田植え終いの稲作儀礼。】
 サナブリ(またはサノボリ)という行事名の最初のサは、豊作をもたらすとされる田の神様、または田植えそのものをさす言葉といわれます(5月のことをサツキ=皐月というのは、旧暦の5月が田植えのある月だからとか、田植えをする女性や少女のことをサオトメ=早乙女というのも、サが同じような意味で使われていると考えられる)。つまり、田の神様を天上へ送る行事のことを、サナブリ(サがのぼる)というわけです。これに対して、田の神様を地上へ迎える行事のことをサオリ(サがおりるという意味)といったりします。通常サオリが田植え始めにあたって行われ、サナブリが田植え終了に際して行われます。このように田植えは、田の神様の見守られる中で行われるという意識があるため、かなり神事的な意味あいを持つものでした。田植えで残った苗を荒神様(火やカマドの神)などに供える風景がよく見られますが、そうすることで、苗の無事な生長と豊作を祈ったのです。 
房総のむらで見られる展示
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