地球磁場とその逆転
地球には磁場が存在し、有害な宇宙線や太陽風から地球を守っています。これは地球が巨大な磁石になっているからであり、地球の中心核のうちの外核が液体状の金属鉄から構成されていることによるものと考えられています。地球をひとつの巨大な磁石に見立てると、現在は、北極に磁石のS極が、南極にN極が存在することから、方位磁石のN極が北を指します。しかし、この磁石が地球の歴史の中では何度も逆転していたことがわかっています。ただし、地磁気逆転の理由はまだ解明されていません。
正磁極期(現在と同じ地球磁場) |
逆磁極期(地球磁場が現在と逆転) |
地球の磁場と磁力線 (理科年表オフィシャルサイトより)
松山基範博士と玄武洞
地球の歴史の中で、地球の磁場が現在と同じ状態の時代と、現在とは逆向きを示す時代の両方があったことを、日本や朝鮮半島、中国大陸の岩石サンプルに基づいて1926年に世界で初めて提唱したのが、京都帝國大学教授の松山基範博士でした。地磁気による時代区分で使われる「松山逆磁極期」(約258万〜77万年前)は松山博士の名にちなんで付けられた名称です。博士が最初に逆転した古地磁気を持つ岩石を発見したのが、兵庫県豊岡市にある玄武洞です。玄武洞(兵庫県豊岡市) 溶岩が冷却する際にできた収縮割れ目である柱状節理が発達し、奇観を呈します。国の天然記念物、日本の地質百選に指定されており、また山陰海岸ジオパークのジオサイトでもあります。
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玄武洞玄武岩 約160万年前に噴出した溶岩で、岩体には縦方向の柱状節理のほかに、横方向の板状節理も発達し、この標本のように六角板状に割れることが多くなっています。かつては、この形を利用して敷石や漬け物石などによく使われました。 (山陰海岸ジオパーク推進協議会寄贈) |