房総(千葉県)の地衣類図鑑
Lobariaceae カブトゴケ科

千葉県にはカブトゴケ科はごくまれで,種数もごく少ない.本科には,緑藻を主な共生藻とする種と,ラン藻(シアノバクテリア)を主な共生藻とする種があるが,千葉県産はいずれも前者にあたる.

 

Lobaria spathulata ヘラガタカブトゴケ →(●)種のページへ
大形種で,顕著な網目状の隆起があることでカブトゴケ属であることがすぐに分かる.近縁種からは,扁平な裂片があることで区別できる.
ph ph  
湿った状態 乾いた状態  
Lobaria discolor エビラゴケ →(●)種のページへ

ウメノキゴケのような大形種.地衣体背面に裂芽・粉芽・パスチュールもなく,白斑もない.また縁部にはシリアもない.このようなウメノキゴケ科は千葉県には産しない.さらに,腹面が淡色で,ほとんど光沢がないことも特徴.

ph ph ph
湿った状態 地衣体背面(乾燥標本) 地衣体腹面
Pseudocyphellaria aurata キンブチゴケ →(●)種のページへ

髄層に多量の黄色色素を含む.裂片縁部に生じる粉芽塊と,腹面の擬盃点も黄色となる.

ph ph ph
乾燥状態 湿った状態 裂片縁部の粉芽塊