調査研究事業:「房総(千葉県)の地衣類誌」の概要
 
第2の目標: 千葉県内における地衣類の分布の解明
 
2-1.それまでの分布解明状況

千葉県に産する地衣類の種のリストを完成させるため,種の多様性が高いと考えられる県の南部を中心に調査を進めた一方で,県の北部ではほとんど調査をしませんでした.また南部であっても,調査したのは一部の地域に限られておりました.

 

右の地図(A)は2012年ころまでに採集された地衣類全種の標本の産地を示しました.北部では白井市以外ではほとんど採集地点がありません.中部では東の東金市に,また千葉市では点々とある程度です.南部では外房側に産地が少ないことが分かります.

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  (2012年頃に,千葉県生物多様性センターのGISのシステムを使用して,原田が作成した地図を編集)
 

さらに上の地図のデータのうち,ウメノキゴケだけを拾い上げて,その採集地を示したのが右の地図(B)です.上の地図に比べて,特に南部で採集地が少なく見えます.

 

これは,それまでの調査では,ウメノキゴケの分布を明らかにすることを意識せずに調査したため,至る所にあるウメノキゴケを採集しなかったためです.

 

「県内に分布する地衣類の種のリストを完成する」ため,県内から記録のない種や現場で同定できない種類の標本を採集することに重きを置いた結果でした.

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  (2012年頃に,千葉県生物多様性センターのGISのシステムを使用して,原田が作成した地図を編集)
 
 
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