展示事業
●1.地衣類を主題にした企画展・季節展等
地衣類を主なテーマにした企画展示をこれまでに3回開催しました.
◆◆「苔松苔梅 ―春を寿ぐうめのきごけ」

(令和4年春の展示).会期2022年(令和4年)1月8日~5月8日.(主担当:坂田歩美.副担当:原田浩)

苔がついた松や梅は,苔松苔梅と呼ばれ,お正月のおめでたい「生け花」として珍重されます.この苔や主にウメノキゴケの仲間,つまり地衣類です.苔松苔梅をはじめとする,日本文化に現れた苔(地衣類)を紹介しました.

 
◆◆「雲南の地衣類」

(平成21年度春の展示).会期2010年(平成22年)3月13日~5月9日.(主担当:原田浩)

中国雲南省周辺は,東アジアで生物が最も多様な地域だと考えられています.そこに地衣類の研究のため,当館職員原田が1994年から2009年にかけて6回訪れました.その時に得た地衣類標本,撮影した写真等によって,多様な雲南の地衣類をはじめ,自然等について紹介しました.

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「4.雲南=地衣類の楽園」から

巨大なナメラカブトゴケなど

「5.雲南の地衣類いろいろ」から

拡大写真とその標本

「7.地衣類のお茶」から

雪茶と紅雪茶

◆◆「驚異の地衣類」

(平成14年度企画展).会期2003年(平成15年)2月15日~5月18日.(主担当:原田浩)

地衣類ってなんだろう?そんな素朴な疑問に答えながら,驚くべき生き物であり,また案外身近な存在でもある地衣類について,様々な面から紹介しました.

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「地衣類って何だろう?」から

「地衣類の体から取り出し培養した共生菌 共生藻」

トピックスの一つ「岩茸(いわたけ)」

トピックスの一つ「装飾,園芸用に」から,フィンランドモス・アイスランドモス(ミヤマハナゴケ)など
 
●2.その他の展示
◆◆その他の企画展示の中で,地衣類を紹介
★「房総丘陵はすごい」(H30年度秋の展示,2018.10.27~12.24).重点研究により房総丘陵から発見され,新種発表した地衣類4種,日本新産2種等を紹介しました.(主担当:原田浩)
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「房総丘陵はすごい」から

「植物・菌類を調べる」,「房総丘陵で見つかった新種」等

左の写真の,中央の平置きケース.地衣類のタイプ標本は1週間ごとに交換した

房総丘陵のヘラガタカブトゴケ生態写真
★「きのこワンダーランド」(1期)(H29年度企画展,2017年).菌類の仲間として,地衣類を紹介.

★「伊豆・小笠原・マリアナ島弧の自然」(H7年度特別展,1995年).調査した北マリアナの地衣類を紹介.

★「ブナ林の自然誌」(H4年度特別展,1992年).ブナ林に見られるヨコワサルオガセ,カブトゴケなどを紹介.
★「街なかのコケ」(H2年第8回生態園トピックス展,1990年).都市化の進んだ市街地でも見られるコケの中で,地衣類の新種などを紹介.
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●3.常設展

★「分類展示室」では,生活史と写真,含浸標本*とで地衣類を紹介しています.(*実物を,新鮮な時の色を再現するよう着色処理しています)

★「自然と人間の関わり展示室」では,大気汚染や都市化により地衣類がいなくなること,また都市に生きる種類があることなどを,センタイ類とともに紹介しています.