#009 Cladonia nipponica Asah.

【外部形態等】ハナゴケ属,棘枝群の一員.基本葉体は顆粒状で早期に消失する.直径5~10cm程度の小さなマットを作る.子柄は高さ5~10cm程度のことが多く,等長ニ叉分枝を繰り返し,特に子柄上部ではその間隔が狭く,寸詰まりに見える.盃は生じない.表面は黄色を帯び,平滑で光沢があり,鱗葉を欠き,粉芽を欠く. 子柄下部を縦断面により内部を観察すると,内髄が網目状に見え,その隙間から多少とも綿毛状の菌糸が見える.

近縁のホソボリイゴケC. kanewskii よりも分枝が短い傾向がある.

【フォトビオント】Trebouxia

【化学成分】 ウスニン酸・プソローム酸(文献1)

【分布と生態】高山の比較的明るい地上に生育.北海道~本州中部(文献1)

ニセボリイゴケ/偽ボリイ苔

Cladonia nipponica Asah.

【異名等】
【文献1】吉村庸.1974.原色日本地衣植物図鑑.349 pp., 48 pls.保育社,大阪市.
執筆:原田浩,2021