#034 Arctoparmelia centrifuga (L.) Hale

【外部形態等】地衣体は葉状,腹面の偽根で基物に概ね圧着する.裂片は類線形で幅約2mm,繰り返し不等長ニ叉分枝を繰り返し,隣同士で多少とも重なり,先端は斜上しない.背面は黄色みを帯びた灰緑色で,光沢はごくわずか,平滑,ほぼ平坦.粉芽・裂芽を欠く.腹面は概ね類白色,光沢はなく,偽根を密生する.

種小名の「centrifuga」は現代語では遠心分離(器)を指すが,この場合は,中心から外側に向かって成長することを指した.本種は大きく成長すると,古くなった中央部が無くなり,新たな地衣体が成長し,やがて同心円状に配列する状態がよく見られるが,これを指す

【フォトビオント】Trebouxia

【化学成分】ウスニン酸,アレクトーロン酸(文献1).

【分布と生態】高山の岩上に生育.北海道・本州中部.

ウスギワゴケ/薄黄輪苔

Arctoparmelia centrifuga (L.) Hale

【異名等】Parmelia centrifuga (L.) Ach.
【文献1】吉村庸.1974.原色日本地衣植物図鑑.349 pp., 48 pls.保育社,大阪市.
執筆:原田浩,2021