#050 Alectoria lata (Taylor.) Linds.

【外部形態等】地衣体は樹状.樹皮に着生するときは,垂れ下がり,時に長さ20~30cm程度になり,よく発達した個体では房状になる.岩上では伏して低いマットを形成することが多い.等長ないし不等長ニ叉分枝を繰り返し,所々で基物に固着しその箇所はハプターとなる.分枝は円筒形で,先端に向かって徐々に細くなる.表面は黄緑色か,多少とも黄色を帯び,わずかに光沢はあり,擬盃点は類白色で隆起し,多少とも細長い.

皮層は比較的弾力のある組織からなっており,内部の髄層は白色の蜘蛛の巣状の菌糸からなる.

【化学成分】ウスニン酸,アレクトーロン酸,バルバトール酸(文献1).

【分布と生態】亜高山帯の針葉樹の樹幹や枝から垂れ下がる.亜高山帯を代表する樹状地衣の一つ.また周辺の(高山を含め)多少とも開けた場所において,岩上の表面や灌木に絡まって生える.北海道~九州(文献1).

ホネキノリ/骨木海苔

Alectoria lata (Taylor.) Linds.

【異名等】
【文献1】吉村庸.1974.原色日本地衣植物図鑑.349 pp., 48 pls.保育社,大阪市.
執筆:原田浩,2021