#055 Cladonia pleurota (Flörke) Schaer.

【外部形態等】ハナゴケ属,赤実群の一員.基本葉体は鱗片状で,直径3mm以下のことが多く,切れ込み,分枝し,裂片は幅1mm程度(あるいはそれ以下が多い),先端は多少とも斜上する.

子柄は高さ1~2.5cm程度,最初は細い倒円錐形で,先端に盃があり徐々に拡大し,じょうご形となる.拡大するのは子柄の比較的先端のみであったり,基部近くまで至ることもある.子柄表面はごく基部のみ皮層が連続し,上部は粉芽で覆われ,多少とも(あるいはごくわずかに)黄色を帯びた灰緑色から灰白色.

盃の縁ははじめ全縁で,赤い点状の粉子器が点在するか,わずかに伸びだして赤い子器をつける.

形はジョウゴゴケC. chlorophaeaやヒメジョウゴゴケC. humilisなどのジョウゴゴケ類に似るが,子器と粉子器が赤いのと,子柄にウスニン酸を含み多少とも黄色を帯びることで区別できる.

【化学成分】 ウスニン酸,ゼオリン,ベリジフロリン(文献1)

【分布と生態】低地から高山まで広く分布し,多少とも開けた場所で,地上や朽木上に生育する.北海道~四国(文献1)

アカミゴケ/赤実苔

Cladonia pleurota (Flörke) Schaer.

【異名等】Cl pleurota var. dahlii Asah.(ナガエノアカミゴケ)

C. pleurota var. esorediosa Asah.(コナナシアカミゴケ)

C. pleurota var. hygrophila Asah.

【文献1】吉村庸.1974.原色日本地衣植物図鑑.349 pp., 48 pls.保育社,大阪市.
執筆:原田浩,2021.1