#063 Pilophorus clavatus Th.Fr.

 

痂状の基本葉体は,顆粒状あるいは小円盤状(丸餅のような形)の区画からなり,これが集合,癒合して基物表面上を,やや灰色を帯びた緑色に覆う.子柄は高さ2~5mm程度(子器を含む),単一,直径約0.3mmで,表面は,基本葉体と同様に,小円盤状(丸餅のよう)の区画(共生藻を含む)で概ね覆われ,一部は不連続となる.子柄先端は棍棒状にわずかに膨れた,長さ約1mmの,青緑色を帯びた黒色の子器となり,多少とも光沢がある.時に子柄の先端は,2から数本に分枝し,その先端に小さく黒い粉子器を生じる.

【化学成分】カペラート酸(文献1)

【分布と生態】北海道~九州(文献1).主に冷温帯から亜高山帯に分布する.比較的明るい森林内や林縁の,露岩上に生育する.

カムリゴケ/冠苔

Pilophorus clavatus Th.Fr.

【異名等】Pilohporon halii(文献1);Pilophoron japonicum Zahlbr.

【文献1】吉村庸.1974.原色日本地衣植物図鑑.349 pp., 48 pls.保育社,大阪市.

 

執筆:原田浩,2024