#000 Bryoria furcellata (Fr.) Brodo & D.Hawksw.

【外部形態等】地衣体は樹状,多少とも懸垂し,長さ15cm程度に達するか,基物上に平臥する.規則正しくほぼ等長二叉分枝を繰り返し,先端に向かい徐々に細くなり,ほぼ直角に出る側枝はほとんど無い.表面は褐色ないし赤褐色で普通は顕著な光沢がある.粉芽塊は,分枝の各所に生じ,最初紡錘形で,後に楕円形,白い顆粒状の粉芽を生ずるが,必ずしも粉芽は典型的ではなく,時に判別が難しい.粉芽塊の周囲あるいは表面から短い分枝を生じ,これが生長するとウニのように棘状となることがあり,しばしば粉芽塊を覆い尽くす.(文献2,一部改変)

【化学成分】フマールプロトセトラール酸と関連物質.(文献2)

【分布と生態】長野県,山梨県,栃木県;北半球に広く分布.
生態: 主として亜高山帯を中心に,針葉樹の樹幹や枝に着生する.特にカラマツ上でよく見られる.(文献2,一部改変)

コフキイバラキノリ/粉吹茨木海苔

Bryoria furcellata (Fr.) Brodo & D.Hawksw., Opera Bot. 42: 103 (1977); 文献2.

【異名等】Alectoria nidulifera Norrl.; 吉村,原色日本地衣植物図鑑: 45 (1974).

【文献1】吉村庸.1974.原色日本地衣植物図鑑.349 pp., 48 pls.保育社,大阪市.

【文献2】原田浩・王立松・吉村庸.2012.  日本地衣類誌(2)ハリガネキノリ属Bryoria(ウメノキゴケ科).Lichenology 10: 147–168.

執筆:原田浩,2021