#131 Physcia albicans (Pers.) J.W.Thomson

【外部形態等】地衣体は葉状(鱗片状),直径約 5cm,時に集合し大きなマットを形成する.裂片は概ね線形で幅 1 – 2.5 mm,不規則に分枝し,互いに接するか多少とも屋根瓦状に重なり,多少とも基物に圧着するか,やや緩く付着する.裂片縁部(腹面側)に沿って顆粒状の粉芽を生じる.背面は概ね平坦だが,粉芽塊がよく発達した部分では縁部が斜上するため多少とも樋状に窪む.灰白色(多少とも褐色,あるいは青味を帯びることも),マキラを欠く.腹面はごく淡い褐色,単一(多少とも束状となる.黒化する)の偽根を散生する.子器はまれ,縁部は全縁か,鋸歯状,果托は偽根を欠き,後にしばしば部分的に粉芽化する.子器盤は赤褐色,±多少とも粉霜に覆われる.上皮層は異型菌糸組織,下皮層は繊維菌糸組織.子嚢胞子は 22 – 28 × 15 – 18 µm.(文献1,一部改変)

【化学成分】地衣体背面 K+ 黄色;髄層 K+ 黄色.(文献1)

【分布と生態】国内の分布:千葉(南端部)・静岡(伊豆半島南端部)・四国(高知)・九州(長崎).小笠原諸島.

生態:小笠原諸島においては岩上と樹皮上に見られるが,本州・四国の南岸では海岸の岩上にのみ認められる.(文献1)

シマムカデゴケ/島百足苔

Physcia albicans (Pers.) J.W.Thomson, Nova Hedw. Beih. 7: 88 (-90, Pl. 12, fig. 25)(1963);  Kashiwadani, Ginkgoana (3): 25-26 (1975);文献1

【異名等】ー

【文献1】原田浩.2016.  日本地衣類誌(7).Physcia s.str. 狭義ムカデゴケ属.Lichenology 15: 105–112.

執筆:原田浩,2021