#150 Agonimiella pacifica H.Harada

地衣体は微小な鱗片状で,やや灰色を帯びた緑色,あるいは灰緑色で,集合して,しばしば蘚苔類マット上に広がる.鱗片はときに周辺で顆粒化することもある.

子器は被子器,概ね倒卵形で,通常は基部か半ばまで鱗片に埋もれ,頂部から半分程度を裸出し,やや紫色を帯びた灰褐色で光沢はなく,ときに表面が白っぽい菌糸で薄く覆われ(繭のよう),頂部に孔口が開口する.

子嚢胞子は石垣状多室 .

【化学成分】ー

【分布と生態】関東以西の各地,伊豆諸島(八丈島)等.風通しの良い,比較的日当たりの良い,あるいは半日陰の樹幹上の蘚苔類マットを覆うことが多い.記録は比較的少ないが,千葉県内の調査時にはしばしば見つかっていることから,各地に広く分布するものとみられる.

 

マユゴケ/繭苔

Agonimiella pacifica H.Harada

【異名等】

【文献1】Harada H. 1993./ Agonimiella, a new genus in the family Verrucariaceae (Lichenes). / Nova Hedw. 57(3): 503-510.
執筆2024.5,原田