#175 Cladonia macilenta Hoffm.

子器を生じる状態では,赤い子器が目立ちマッチ棒のよう.暖温帯から冷温帯(山地帯)では,このような形状をする個体のほとんど全てが本種である.子器を生じない状態では,Cladonia coniocraea ヤリノホゴケに似る.亜高山帯から高山帯の地上では,Cladonia alpina タカネアカミゴケが本種に似る.

 

【外部形態等】基本葉体は微小な鱗片状,類円形で縁部に粉芽を生じる.子柄は単一の棒状で,灰緑色から灰白色,基部を除いて概ね全体が細かな粉芽で覆われる.表面には鱗葉を欠くことが多いが,時に少数の,まれに多数の鱗葉を生じる.盃を欠き,頂部には早期には粉子器(赤味を帯びる)を生じ,後に赤色の子器を生じる.

【化学成分】

【分布と生態】暖温帯から亜高山帯まで広く分布する.暖温帯の千葉県では,スギなどの樹幹の基部や,切り株などによく見られる.亜高山帯では,倒木や地上などに生育することが多い.

コアカミゴケ/小赤実苔

Cladonia macilenta Hoffm.

【異名等】Cladonia bacillaris (Delise) Nyl.

Cladonia floerkeana auct.; (文献1)

【文献1】吉村庸.1974.原色日本地衣植物図鑑.349 pp., 48 pls.保育社,大阪市.

執筆:原田浩,2021