#176 Cladonia rei Schaer.

樹状の子柄は高さ概ね1~3cm,時に5㎝に達し,概ね単一.先端にはお椀状の盃を生じるが,若い子柄では目立たず,徐々に拡大するとともに,その縁から伸びだした短い突起を複数生じ,その先端にはじめ褐色の粉子器を生じ,後に褐色の子器を生じる.子器を生じた突起は拡大し,盃はいびつになる.盃の中央から子柄が伸びることはない.子柄の表面は,下部には細かな鱗葉を生じることがあるが,これより更に小さな顆粒で覆われる.子柄上部では顆粒は小さい傾向があり,ほとんど粉芽となり,ときに子柄全体が粉芽で覆われることがある.基本葉体は長さ3mm程度に達することはあるが,比較的小さく,また大きな場合には幅0.2~0.3mmの裂片に分かれる.

 

【化学成分】

【分布と生態】丘陵帯(暖温帯)から山地帯(冷温帯)まで普通に見られる.暖温帯の千葉県では,切通し(土上)や,石造物にたまった土の上,スギなどの樹幹の基部に見られる.

ヒメレンゲゴケ/姫蓮華苔

Cladonia ramulosa (With.) J.R.Laundon

【異名等】Cladonia pityrea (Flörke) Fr.(文献1)

Cladonia ramulosa (With.) J.R.Laundon(文献2)

Cladonia nemoxyna (Ach.) Nyl.(ツエハナゴケ)(文献1)

【文献1】吉村庸.1974.原色日本地衣植物図鑑.349 pp., 48 pls.保育社,大阪市.

【文献2】原田浩・岡本達哉・吉村庸.2004./ 日本産地衣類および関連菌類のチェックリスト./ Lcihenology 2: 47-165.

執筆:原田浩,2023