#207 Fissurina undulata (Müll.Arg.) M.Nakan. & Kashiw.

地衣体は多少とも褐色を帯びた灰緑色で,連続し,平滑,光沢がある.子器(リレラ)は,地衣体に生じた裂け目のようで,はじめはほとんど閉じているため目立たないが,後に多少とも開くことがある.

 

子器の縁部には目立った構造はない.

本州付近でこのような形状をするもう1種のスジモジゴケ(F. inabensis)に比べて出現頻度は低い.これとは,子嚢胞子によって区別される(文献1).また本種の方が,子器の縁部が,顕著ではないがより厚くめくれ上がる傾向が見られるようである.

 

【外部形態】

【内部形態】

【生態】林内から林縁の樹皮に着生.

【分布】暖温帯に広く分布する.

 

オオスジモジゴケ/大筋文字苔

Fissurina undulata (Müll.Arg.) M.Nakan. & Kashiw.

【異名等】Graphina undulata(文献1)

【文献1】Nakanishi M. 1966/ Taxonomical studies on the family Graphidaceae of Japan/ J. Sci. Hiroshima Univ., ser. B, div. 2 (Bot.), 11 (1): 51-126, pls. I-V.

執筆:原田浩,2023