#211 Graphis cognata Müll.Arg. | |||||
モジゴケ属の中では,本種は以下の形質で特徴づけられる: 子器は著しく突出し基部はくびれ,ほぼ単一,先端は丸い;(横断切片)ラビアは基部まで黒化し,その黒色の組織が子嚢層の下方まで伸び,対となるラビア間がつながる;地衣体はノルスチクチン酸を欠きK−.
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【外部形態】 地衣体は灰白色,連続し,平滑,光沢はない.子器(リレラ)は,地衣体上から顕著に突出し,基部はくびれ,ほとんど分枝しない.ラビア(果殻)の表面は平滑,黒色.対となるラビアはほぼ接し,子器盤を隠す.
【内部形態】(子器横切片)子器壁は基部まで黒化し,子嚢層の下方に伸び,対となるラビア間をつなぐ.子嚢層は油滴を欠く.子嚢胞子は平行多室,細胞はレンズ状で10~20室,45-65×7µm(文献1).
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【生態】林内から林縁の樹皮に着生. 【分布】暖温帯を中心に分布し,ときに冷温帯にまで広がる.北海道~九州(文献1)
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ツツジノモジゴケ/躑躅文字苔 Graphis cognata Müll.Arg. |
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【文献1】Nakanishi M. 1966/ Taxonomical studies on the family Graphidaceae of Japan/ J. Sci. Hiroshima Univ., ser. B, div. 2 (Bot.), 11 (1): 51-126, pls. I-V. |
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執筆,原田浩,2024 | |||||
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