#217 Gyalecta kibiensis H.Harada & Yoshim. |
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石灰岩生の痂状地衣.日本産のサラゴケ属として長らくジンムジサラゴケのみが知られていたが,2種目として岡山県産の標本に基づき2005年に新種記載された.石灰岩上に広がる地衣体は目立たず,ビアトラ型裸子器は明らかに突出し,橙色の子器盤が広がり目立つ.
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【外部形態】地衣体は痂状,石灰岩上に薄く広がり,連続し,淡灰褐色,鮮時は緑色を帯びる.粉霜・粉芽・裂芽を欠く.裸子器はビアトラ型,直径0.35~0.5mm,地衣体上に突出し,無柄.果殻縁部は厚さ0.06~0.08mm,全縁(やや半透明)か浅く割れるか,歯状(この部分は白っぽい).子器盤ははじめ窪み,後にやや突出するかほぼ平坦,いずれも果殻縁部よりも低く,橙色,半透明,平滑,粉霜を欠く. 【内部形態】果殻は中央底部が開き(子器の中心を通る縦断切片でのみ確認が可能),顕著で, 厚さ約80µmに達し,概ね透明,菌糸壁が肥厚し互いに固く癒合した繊維菌糸組織で,菌糸は多少とも噴水状に配列.ヒポテシウムは無色.子嚢下層は厚さ15~25µm,多少とも黄色を帯びる.子嚢は円筒形で50~55×約5µm.子嚢胞子は1子嚢中に8個生じ,10~13 x 約 2.5 μmの紡錘形,この一方に鞭毛状の突起(長さ15~25µm)を生じ,無色,薄壁,横隔壁を3(~6)生じ,くびれない.(文献1を改変) |
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【化学成分】- 【分布と生態】石灰岩上に生育 |
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キビノサラゴケ/吉備の皿苔 Gyalecta kibiensis H.Harada & Yoshim. |
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【異名等】ー | |||||
【文献1】Harada H. & Yoshimura I. 2005./ Taxonomic study on calcicolous lichens of Japan (1). Gyalecta kibiensis sp. nov./ Lichenology 4(1): 13-16. |
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執筆:原田浩,2023.3 | |||||
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