#228 Heterodermia subascendens (Asah.) Trass.

小形の葉状地衣.裂片は線形で不規則に分枝し,背面は灰白色,裂片の先端の腹面に粉芽塊ができ,これが生長するとめくれ上がる(唇状の粉芽塊)とともに,その裂片は幅が著しく広がり,斜上する.腹面は皮層を欠き,黄色(黄色の色素を含む髄層が裸出する).偽根は類白色で,縁部から生じ,長く伸び,ほぼ単一.

 分布上の記録は比較的少ないが,まれということではなく,見過ごされている可能性が高い.

 

【外部形態等】準備中

【化学成分】アトラノリン,ゼオリン,黄色色素(文献1)

【分布と生態】本州~四国(文献1).暖温帯~山地帯(冷温帯)を中心に分布し,樹幹や岩上に生育.

コフキゲジゲジゴケ/粉吹蚰蜒苔

Heterodermia subascendens (Asah.) Trass.

【異名等】Anaptychia subascendens Asah.(文献1)

【文献1】吉村庸.1974.原色日本地衣植物図鑑.349 pp., 48 pls.保育社,大阪市.

執筆:原田浩,2023