#247 Lecanora megalocheila (Hue) H.Miyaw. | |||||
チャシブゴケ属Lecanoraの中で,本種は以下の形質により特徴づけられる: 樹皮着生,地衣体は概ね連続し,子器は多少とも大きく,明らかに突出し,基部は明らかにくびれ,子器盤は赤褐色,縁部は顕著に突出し,類白色,果托にシュウ酸カルシウムの大きな結晶を欠き,子嚢上層に顆粒を生じる.
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【外部形態】地衣体は痂状,連続し,概ね灰白色,地衣体周辺のプロタルスは黒色. 子器はレカノラ型,直径2 mm以下,明らかに突出し,基部は明らかにくびれる.子器盤は赤褐色,はじめほぼ平坦で,のちに窪み,粉霜を欠く.縁部は子器盤より顕著に突出し,厚く,類白色か地衣体と同色,光沢がない. 【内部形態】果托に顕著なシュウ酸カルシウム結晶を欠く.子嚢上層に顆粒を含む.子嚢胞子は1子嚢中に8個生じ,10-14 × 5-8 µm(文献1) |
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【化学成分】アトラノリン,ゼオリン,未同定物質(文献1) 【生態】樹皮着生 【分布】北海道~九州,主に暖温帯・冷温帯(山地帯)(文献1より). |
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ナミチャシブゴケ/並茶渋苔(文献2) Lecanora megalocheila (Hue) H.Miyaw., Flora 62: 482 (1879). |
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【異名等】Lecanora subrubra Hue var. megalocheila Hue, Ann. Mycol. 13: 95 (1915)(文献1) |
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【文献1】 Miyawaki H. 1988./ Studies on the Lecanora subfusca group in Japan./ J. Hattori Bot. Lab. (64): 271-326. 【文献2】宮脇博巳・原田浩.2016./ 日本産チャシブゴケ属(Lecanora)の新和名./ Lichenology 15: 123-125. |
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執筆,原田浩,2024 | |||||
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