#254 Lepraria cupressicola (Hue) J.R.Laundon

 

暖温帯の千葉県においては,樹皮上に最も普通に見られるレプラゴケ類の一つ.粉芽が密集し薄い層状をなしているが,これが多少とも裂片状になること,青白い色調であること,腹面側からは短い,白か黒色の菌糸が伸びだすことで野外で認識できる.また,レカノール酸を含みC+赤色であることも重要な特徴となっている.

 

【外部形態】(準備中)

【内部形態】

【化学成分】アトラノリン,レカノール酸,ゼオリン(文献1)

【分布と生態】関東~四国.主に丘陵帯(暖温帯)~山地帯(冷温帯),亜高山帯以上でも確認されている.樹皮着生,ときに岩上生.暖温帯の千葉県においては,林縁部などのスギの樹幹の半日陰の面が本種によって広く覆われる状態がよく目撃できる.

ヘリトリモジゴケ/縁取文字苔

Lepraria cupressicola (Hue) J.R.Laundon

【異名等】Crocynia cupressicola Hue

Lepraria atrotomentosa Orange & Wolseley

【文献1】木下靖浩・原田浩.2020/ 日本産レプラゴケ属地衣類の分類学的検討(1).レプラゴケ(Lepraria cupressicola)/ Lichenology 19(1): 17-23.

執筆:原田浩,2023