#264 Lobaria spathulata (Inumaru) Yoshim.

網目状の隆起があるカブトゴケ類の中では,緑藻を主な共生藻とすることで,ナメラカブトゴケ(L. orientalis)に似る.ナメラカブトゴケは裂芽等を欠くのに対し,本種は扁平な裂片を生じることで区別できる.裂芽は背面にも生じるが,裂片縁部に多い.主に山地帯(冷温帯)に分布するが,低標高ではナメラカブトゴケよりも出現頻度が高い.

【外部形態等】(準備中)

【化学成分】ジロフォール酸(文献1)

【分布と生態】北海道~九州(文献1).主に山地帯(冷温帯)に分布し,樹幹上,樹枝上に着生し,ときに岩上にも生育する.丘陵帯(暖温帯)上部まで分布するようである.

ヘラガタカブトゴケ/箆形兜苔

Lobaria spathulata (Inumaru) Yoshim.

【異名等】
【文献1】吉村庸.1974.原色日本地衣植物図鑑.349 pp., 48 pls.保育社,大阪市.
執筆:原田浩,2021