#278 Myelochroa galbina (Ach.) Elix & Hale

小形の葉状地衣.裂片は丸く,不規則に分枝し,基物に圧着する.背面は灰緑色,多少とも凹凸があり,粉芽・裂芽・パスチュールを欠く.裂片間の脇にごく短いシリアを生じる.腹面は概ね暗褐色からほぼ黒色で,ほとんど全体にわたり概ね単一の短めの偽根を生じる.髄層は淡黄色.髄層には(生物顕微鏡下),チョロギ細胞と呼ばれる数珠状の菌糸がある.髄層にガルビン酸を含む,P+橙色.

 分枝の様子などは同属のウチキウメノキゴケ(M. irrugans)に似るが,本種の裂片はせいぜい幅が2mm程度と狭いのに対し,ウチキウメノキゴケは幅広く4~5mmはある.またチョロギ細胞を欠くとともに,ガルビン酸を欠き髄層はP−.

 

【外部形態】(準備中)

【化学成分】アトラノリン,ゼオリン,ガルビン酸(文献1)

【分布と生態】本州(文献1).山地帯(冷温帯)付近の樹幹上に生育する.

 

チョロギウメノキゴケ/長老木(草石蚕)梅木苔

Myelochroa galbina (Ach.) Elix & Hale

【異名等】Parmelia galbina Ach.(文献1)

チュウゼンジゴケ

【文献1】吉村庸.1974.原色日本地衣植物図鑑.349 pp., 48 pls.保育社,大阪市.

執筆:原田浩,2021