#291 Pannaria lurida (Mont.) Nyl. subsp. lurida

 

準備中

 

【外部形態】地衣体は葉状.共生藻はラン藻,異層葉状地衣(皮層・藻類層・髄層が明瞭に分かれる).裂片が破損した箇所などから(あるいはカミソリなどで斜めにそぐと),皮層と白い髄層に挟まれた暗青灰色の藻類層が見える.裂片は概ね丸く,わずかに分枝する.背面は裂片先端では主に灰褐色,地衣体中央部では主に黄褐色,裂片中央部では時に浅いしわを生じる.縁部はところにより,粗い顆粒状の突起が並ぶ.腹面は淡色で,暗色の厚いマット状のトメンタ(あるいは下菌糸)はない.

子器はレカノラ型,子器盤は暗褐色.海岸生の標本では未見.

【化学成分】

【生態】主に暖温帯から冷温帯の,湿潤地に生育する.樹皮上・岩上で,蘚苔類と混生することが多い.海岸岩上で確認された地点では,灰色帯よりも日陰よりの,湿った場所に生育していた.

【分布】基本的には海岸生である.海岸生としては,長崎の1地点のみ記録がある.

テツイロハナビラゴケ/鉄色花弁苔

Pannaria lurida (Mont.) Nyl. subsp. lurida

【異名等】ー

【文献1】吉村庸.1974.原色日本地衣植物図鑑.349 pp., 48 pls.保育社,大阪市.

執筆:原田浩,2021