#335 Pyrenopsis conturvatula Nyl. | |||||
地衣体は痂状で,明らかに区画化するラン藻地衣(シアノバクテリアをフォトビオントとする).地衣体はほぼ黒色だが,赤味を帯びるのが特徴.長﨑の海岸岩上で採集された標本に基づき記載されたことから,海岸付近の個体は本種であることは間違いないが,その他の環境のものの所属については検討が必要である.
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【外部形態】地衣体は痂状,明らかに区画化する.区画は多角形で,表面は赤みを帯びたほぼ黒色. 子器はレカノラ型で,地衣体に埋没し,しばしば縁部も不明瞭,子器盤はほぼ黒色. 【内部形態】地衣体表面近くは明らかに赤みを帯びる(共生ラン藻の粘液鞘).子嚢層はアミロイド(I+).子嚢先端部では,子嚢内壁が明らかに肥厚する.子嚢胞子は1子嚢中に8個,14 × 9 μm.(文献1) |
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【化学成分】 【生態】海岸の日当たりのよい岩上に生育.海岸以外からも記録はあるが,再検討が必要. 【分布】海岸からの記録は秋田・千葉・長崎(文献1) |
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モツレノリ/縺れ苔 Pyrenopsis conturvatula Nyl. |
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【異名等】- |
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【文献1】Harada H. 2019. Illustrated flora of marine and maritime lichens of Japan (4), Pyrenopsis conturvatula (Lichinaceae). Lichenology 19 (2): 79–83. |
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執筆:原田浩,2022 | |||||
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