#358 Strigula maritima H.Harada | |||||
岩上生の被果地衣.海岸付近でのみ見つかっている.地衣体が灰白色から灰緑色,被子器はほぼ黒色であることから,Verrucaria アナイボゴケ属に似るが,アナイボゴケ属では被子器の子嚢層(断面)において子嚢とともに側糸などの子嚢層内菌糸系を欠くのに対し,本種をはじめとするStrigulaマンジュウゴケ属では,側糸を生じるので異なる.
岩上生のマンジュウゴケ属の中で本種は以下の形質により特徴づけられる: 子嚢胞子が2室で,やや大きい(15~26 × 4~6 μm)こと,被子器が直径0.3~0.8 mmと比較的大きいこと,大粉子と小粉子を同一の粉子器に生じない(Strigula nipponica イワマンジュウゴケでは,大粉子は大粉子器に,小粉子は小粉子器に生じる)こと,海岸付近の岩上に生育すること.
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【化学成分】記録なし 【生態】桃褐色帯.樹木が茂る岩石海岸で発見された.(文献2) 【分布】広島・高知.(文献1) |
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シオマンジュウゴケ/潮饅頭苔 Strigula maritima H.Harada |
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【異名等】― |
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【文献1】Harada H. 2016./ Saxicolous species of the genus Strigula (lichenized Ascomycota, Strigulaceae) in Japan./ Lichenology 14 (2): 73-90. 【文献2】Harada H. 1998./ Strigula maritima (lichenized Ascomycota, Strigulaceae), a new maritime species from western Japan./ Bryologist 101: 605-607. |
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執筆,原田浩,2022.修正,原田,2024.5. | |||||
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