#359 Strigula nipponica H.Harada | |||||
岩上生の被果地衣.暖温帯の非淡水環境で見つかっている.地衣体が灰白色から灰緑色,被子器はほぼ黒色であることから,Verrucaria アナイボゴケ属に似るが,アナイボゴケ属では被子器の子嚢層(断面)において子嚢とともに側糸などの子嚢層内菌糸系を欠くのに対し,本種をはじめとするStrigulaマンジュウゴケ属では,側糸を生じるので異なる.
岩上生のマンジュウゴケ属の中で本種は以下の形質により特徴づけられる: 子嚢胞子が2室で,やや小さい(13~17 × 4~5.5 μm)こと,被子器が直径0.3~0.8 mmと比較的大きいこと,大粉子と小粉子を同一の粉子器に生じること(Strigula maritimaシオマンジュウゴケでは,大粉子は大粉子器に,小粉子は小粉子器に生じる),海岸でも淡水でもない環境の岩上に生育すること.
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【化学成分】記録なし 【生態】暖温帯(千葉県)の丘陵地帯の森林地帯において,稜線近くの木陰の岩上で発見された.(文献2) 【分布】千葉.(文献1) |
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イワマンジュウゴケ/岩饅頭苔 Strigula nipponica H.Harada, Nova Hedwigia 60(3-4): 488 (1995) |
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【異名等】― |
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【文献1】Harada H. 2016./ Saxicolous species of the genus Strigula (lichenized Ascomycota, Strigulaceae) in Japan./ Lichenology 14 (2): 73-90. 【文献2】Harada H. 1995./ Strigula nipponica Harada sp. nov. (Lichenes, Strigulaceae) from Chiba-ken, central Japan./ Nova Hedwigia 60: 487-491. |
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執筆,原田,2024.5. | |||||
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