#362 Thelenella luridella (Nyl.) H.Mayrhofer | |||||
海岸生の痂状地衣.灰色帯(文献2)の下部付近で見つかっている.被子器を生じる海岸生地衣類の中で,子器が多少とも褐色化することはあっても,黒くならないことと,皮層が分厚く,地衣体表面がロウで覆われたかのような質感が特徴.
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【外部形態】地衣体は痂状,ほぼ連続する.概ね灰褐色で,多少とも青みを帯びることもあり,光沢があるのが特徴. 子器は被子器で,概ね半球状に突出し,薄い地衣体で覆われており,頂部中央に孔口があるがめだたず,その周りはしばしば暗褐色となる. 【内部形態】子嚢層内菌糸系は分枝癒合し,網目状となる.子嚢胞子は(24-) 30-45 (-49) × 11-21 µm,石垣状多室(文献1). |
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【分布と生態】国内では,海岸の岩上のみから記録されている.宮城・愛媛・徳島・長崎・小笠原諸島.(文献1,3) |
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オオアミゴケ/大網苔 Thelenella luridella (Nyl.) H.Mayrhofer |
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【異名等】― |
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【文献1】Harada H. 1999./ Thelenella luridella (lichenized Ascomycota, Thelenellaceae), newly found in Japan./ J. Nat. Hist. Mus. Inst., Chiba 5: 91-95. 【文献2】原田浩/ 2016/ 日本産海岸生地衣類.垂直分布帯と種多様性(予報)/ Lichenology 14: 163-166. 【文献3】原田浩/ 2020/ 日本産海岸生地衣類図鑑(3).被果地衣類(アナイボゴケ科を除く)./ Lichenology 19 (1): 25‒32. |
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執筆,原田浩,2022.修正,原田,2024.5. | |||||
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