#375 Tuckermannopsis gilva (Asah.) M.J.Lai

広義アワビゴケ類(cetrarioid lichens)の中では,地衣体背面が黄色を帯びず(ウスニン酸を欠き),褐色を帯びる種群に属し色調が似るオリーブゴケ(Melanelia olivacea)の裂片は基物に圧着するのに対し,本群では縁部と先端が斜上するものが多い.

 その中で本種は,地衣体が裂片縁部に沿って粉芽を生じることで,オオスルメゴケ(T. ulophylloides)に似る.しかし,本種が主に亜高山帯で樹皮着生するのに対し,後者は丘陵帯の岩上に生育する.

 

【外部形態等】準備中

【化学成分】アレクトーロン酸(文献1)

【分布と生態】北海道~本州中部(文献1).亜高山帯付近の,主に針葉樹の幹に着生する.

 

オーアケシゴケモドキ/おーあけし苔擬

Tuckermannopsis gilva (Asah.) M.J.Lai

【異名等】Cetraria gilva Asah(文献1)

【文献1】吉村庸.1974.原色日本地衣植物図鑑.349 pp., 48 pls.保育社,大阪市.

執筆:原田浩,2021