#378 Verrucaria capitulata H.Harada

 

淡水生の痂状地衣.日本産淡水生アナイボゴケ属の中で以下の形質によって特徴付けられる:地衣体は緑色から褐色で,湿時には半ばゼラチン化し,被子器は顕著に裸出し直径0.2~0.4 mmで頂部は丸く,外殻は果殻に張り付くか側方に広がり,子嚢胞子は比較的小さい(9 –
14 × 5 – 7 μm).(文献1)

 

【外部形態】地衣体は連続し薄く,割れず,緑色から緑褐色(時に暗褐色).被子器は顕著に半球形に突出し,直径0.2~0.4 mm,頂部は丸く,基部はくびれず,薄い地衣体を基部のみにかぶり,ほぼ黒色.

【内部形態】地衣体は厚さ 25 μmまで,皮層を欠き,暗色の基層を欠き,異型菌糸組織で菌糸間の空隙が無い.外殻は上部~中部では果殻に張り付き,下部では時に側方に広がり,概ね果殻基部の高さまで達し,菌糸壁は顕著に肥厚する.周糸はほぼ分枝せず,中央部では長さ約15 μm,とがった先端に向けて細くなり,ゼラチン質の基質に埋もれる.子嚢胞子は 9~14 × 5~7 μmでハロを欠く.(文献1を一部改変)

【化学成分】-

【分布と生態】千葉県・岩手県・高知県から記録がある(文献1).淡水生種.

ボウズサワイボゴケ/坊主沢疣苔

Verrucaria capitulata H.Harada

【異名等】

【文献1】Harada H. 2012 Taxonomic Study on the Freshwater Species of Verrucariaceae of Japan (2). Genus Verrucaria. Lichenology 10(2): 97-135.

執筆:原田浩,2021