#382 Verrucaria halizoa Leight.

 

海岸の潮間帯の岩上を代表する地衣類.地衣体は緑がかった黒色から灰色がかった緑色まで.

 

【外部形態】地衣体は痂状.基物上に薄く広がり,連続し,割れず,黒斑を欠き,日陰では褐色を帯びた緑色(ときにほぼ緑色),日向では暗い灰色からほぼ黒色,あるいは多少とも褐色を帯び,湿るとゼラチン(半透明)化する.

子器は被子器.ほぼ裸出するか半分埋もれ,ドーム形か半球形で直径0.15 – 0.25 mm,黒色,光沢があり,平滑,頂部は丸く,孔口は微小な小孔として認められる.

【内部形態】子嚢層内菌糸系は孔口付近にのみ周糸が生じ,子嚢間にはない.子嚢胞子は1子嚢中に8個生じ,6 ‒ 10 × 4 ‒ 5 µm,単室,薄壁.

【化学成分】報告なし.

【生態】海岸特有の地衣類.黒色帯の下部に多い.黒色帯の要素としては国内で最も普遍的に見られる種の一つ.

【分布】東北(岩手・宮城)・関東(千葉)・中部日本海側(石川)・近畿(和歌山)・四国(愛媛)・九州(長崎・鹿児島).

ウシオイボゴケ/潮疣苔

Verrucaria halizoa Leight.

【異名等】―

【文献】 原田浩.2020./ 日本産海岸生地衣類図鑑(2).アナイボゴケ科./ Lichenology 18(2): 79-97.

執筆:原田浩,2022