#391 Verrucaria praeviella H.Harada

 

【外部形態】地衣体は痂状,やや厚く,概ね連続するが,多少とも割れ目があり,日陰では褐色がかったクリーム色か緑色がかり,日向ではほぼ黒色にまで暗くなり,光沢はなく平滑,湿るとわずかにゼラチン化し(半透明になり).黒斑はまばらかほとんど欠き,ふつうは多少とも伸長し,幅(0.03 –) 0.05 – 0.08 (– 0.10) mm.プロタルスは不明瞭か,他の地衣体と接すると黒い境界線となって現れる.

子器は被子器,基部が埋もれるか半分埋もれ,ほぼ半球形,直径0.25 – 0.5 mm,頂部は若干平らになることがあり,孔口周辺はわずかに窪み,ほぼ黒色だが,薄い地衣体を被ることがある.

【内部形態】子嚢層内菌糸系は孔口付近にのみ周糸が生じ,子嚢間にはない.子嚢胞子は1子嚢中に8個生じ,13 ‒ 18 × 6 ‒ 9 µm,単室,薄壁.

【化学成分】記録なし

【生態】海岸特有の地衣類.黒色帯の上部に分布.それよりやや高所の日陰にも分布.

【分布】中部太平洋側(静岡)・中国(広島・山口)・九州(福岡・長崎)

サイゴクウシオイボゴケ/西国潮疣苔

Verrucaria praeviella H.Harada

【異名等】

【文献】 原田浩.2020./ 日本産海岸生地衣類図鑑(2).アナイボゴケ科./ Lichenology 18(2): 79-97.

執筆:原田浩,2022