#416 Sticta duplolimbata (Hue) Vain.

シアノバクテリアをフォトビオント(共生藻)とし腹面に盃点があり,柄があることで,本種はエツキセンスゴケ(Sticta gracilis)に似る.しかし,本種が裂芽を生じるのに対し,後者はこれを欠く.

 

【外部形態等】シアノバクテリアをフォトビオント(共生藻)とするカブトゴケ科の葉状地衣.地衣体は比較的小さく,基物から柱状の柄が伸びた先で,裂片が多少とも掌状に分枝する.各裂片は幅広く先端は多少とも丸い.背面はごく暗い灰褐色(ほとんど黒色)で,サンゴ状の裂芽を密生する.縁部に沿って棘状の突起を生じる.腹面は淡褐色のトメンタで覆われ,盃点を生じる.

【化学成分】ー

【分布と生態】本州(関東以南)~九州(文献1).丘陵帯(暖温帯)の渓谷沿いの湿った森林内で,樹幹上や岩上に蘚苔類マットと混じって生育することが多い.

 

ヘリゲセンスゴケ/縁毛扇子苔

Sticta duplolimbata (Hue) Vain.

【異名等】

【文献1】吉村庸.1974.原色日本地衣植物図鑑.349 pp., 48 pls.保育社,大阪市.

執筆:原田浩,2023
 


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