#457 Verrucaria aquatilis Mudd

 

淡水生種.地衣体が黒っぽく,子器が小さく半球形であることから区別できる.

 

【外部形態】 地衣体は連続し薄く,黒っ ぽく,割れ目を欠く.被子器は半ば地衣体に埋もれるか,ほぼ半球形に突出し直径0.1~0.2 mmで,基部はくびれず,孔口は目立たない.

【内部形態】地衣体は厚さ10~30 μm(あるいは更に薄い),明瞭な皮層を欠き,時に不連続の暗色の基層があり,部分的に褐色,全体が異型菌糸組織で,菌糸間の空隙は無い.外殻は側方に広がりは果殻の基部の高さまで達し,暗褐色からほぼ黒色で厚さ15~30 μmで,菌糸壁は肥厚する.周糸は中央部で長さ概ね10 μmで分枝せず,とがった先端に向かい細くなり,ゼラチン質の基質に埋もれる.子嚢胞子は6~9 × 4~5 μm,ハロを欠く. (文献1を一部改変)

【化学成分】-

【分布と生態】北海道~四国,暖温帯~亜寒帯(亜高山帯).河川上流の水辺の岩上に生育する淡水生種.

クロサワイボゴケ/黒沢疣苔

Verrucaria aquatilis Mudd;文献1

【異名等】

【文献1】Harada H. 2012 Taxonomic Study on the Freshwater Species of Verrucariaceae of Japan (2). Genus Verrucaria. Lichenology 10(2): 97-135.

執筆:原田浩,2021