#464 Hypotrachyna koyaensis (Asah.) Hale

 

広義ウメノキゴケ属の中では,地衣体が比較的大きく裂片が丸く,背面に裂芽を生じること,縁部にシリアを欠くことで,ウメノキゴケParmotrema tinctorumに似る.しかし本種は,腹面の縁近くまで短いニ叉分枝する偽根を密生することで,腹面縁部が広く裸出し淡褐色である後者とは容易に区別できる.含有成分も明らかに異なる.

 また,類縁種には形態的によく似る種が幾つかあるが,本種は髄層にプロトセトラール酸を含み,P+橙赤色であることで,他の種から区別できる.

 

【外部形態】(準備中)

【内部形態】

【化学成分】アトラノリン,プロトセトラール酸,カペラート酸(文献1).

【分布と生態】関東以西.主に暖温帯.樹皮着生,岩上生.

コウヤゴンゲンゴケ/高野権現苔

Hypotrachyna koyaensis (Asah.) Hale

【異名等】Parmelia koyaensis Asah.(文献1

【和名について】高野山(和歌山県)に因む.異名:コウヤウメノキゴケ

【文献1】吉村庸.1974.原色日本地衣植物図鑑.349pp., 48pls.保育社,大阪市.

執筆:原田浩,2023