#467 Dictyonema moorei (Nyl.) Henssen

担子地衣.ラン藻地衣.

 半日陰で,とても湿った場所の樹幹などに,深い青緑色のマット状の薄い地衣体を形成する.糸状のシアノバクテリアに菌糸が絡みついたような糸状構造が絡まり合ってできている.わずかに細かな裂片的な部分の縁が白っぽくなる部分で,担子胞子が形成される.

 通常の地衣類とは似ても似つかず,シアノバクテリアのマットにしか見えないような形状のため,見過ごされている.

 

【外部形態等】準備中

【化学成分】ー

【分布と生態】少なくとも温暖な地域には広く分布するものと思われる.その一方で徳島県剣山では,標高1700m程度の地点で確認された.湿潤で半日陰の場所を好むものと思われる.更に暗い場所にも生育しているかもしれないが,確認が困難である.

フランネルゴケ/フランネル(※)苔  (※薄く柔らかい毛織物)

Dictyonema moorei (Nyl.) Henssen

【異名等】ー

【文献1】吉村庸.1974.原色日本地衣植物図鑑.349 pp., 48 pls.保育社,大阪市.

執筆:原田浩,2023