#471 Agonimia tristicula (Nyl.) Zahlbr. | |||||
石灰岩生地衣類.石灰岩上の蘚苔類マットの上に生えるが,その他の環境でも生育する.微小な鱗片状の地衣体と,それに比べれば大きく,地衣体上に突出する黒色の被子器が特徴.上皮層にはパピラを生じる. |
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【外部形態】地衣体は微小な鱗片状.鱗片は幅約0.1mmで,不規則か多少とも羽状に分枝し,背面は丸く突出し,灰緑色から褐色(日当たりが良いと褐色が強い).腹面は多少とも窪み,ほぼ白色等の淡色で,粉芽状の顆粒を生じ,顕著な偽根は認められない. 子器は賛成し,地衣体上に明らかに突出し裸出し,概ね卵形で基部は明らかにくびれ,高さ0.2~0.5 mm,直径0.15~0.3 mm,孔口から基部に向けて5~6程度の稜(その間は溝)を生じ,表面は黒色で,多少とも光沢があり,粉霜やトメンタ様の菌糸で覆われることはない. 【内部形態】地衣体は厚さ50~100µmで,概ね一様の組織, 顕著な皮層はない(概ね1細胞層),全体が異形菌糸組織で,概ね直径3~5µmの細胞からなり,共生藻細胞(単細胞性の緑藻)がやや密に散在する.皮層細胞には,しばしば複数の顕著なパピラを生じる.被子器壁は外層がほぼ黒色で,内層は透明,両者の中間層ではほぼ黒色から暗褐色の顆粒を含む.子嚢層に子嚢層内共生藻を欠く.子嚢層内菌糸系は周糸のみ.子嚢は棍棒状で130~200×35~50µm.子嚢胞子は1子嚢中に1個だけ生じ,135-180 × 30 - 40 µm,石垣状多室.(文献1を改変) |
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【化学成分】- 【分布と生態】ー
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ツブゴケ/粒苔 Agonimia tristicula (Nyl.) Zahlbr. |
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【異名等】― |
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【文献1】Harada H. 1993./ Taxonomic notes on the lichen family Verrucariaceae in Japan (III). Agonimia tristicula new to Japan./ J. Jpn. Bot. 68: 166-169. |
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執筆:原田浩,2023.3 | |||||
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