#475 Collema texanum Tuck. var. texanum |
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石灰岩生の葉状のラン藻地衣.石灰岩に直接付着する広義イワノリ属の中で,以下の形質により特徴づけられる.ロゼット状となり,裂片の先端は丸く,背面は多少とも突出し,腹面は樋状に窪むこと,裂芽を欠き,果殻は繊維菌糸組織,子嚢胞子が2室.(文献1) 近年の分子系統学的な研究により広義イワノリ属は,多くの属に分けられたが,本種は未検討であるため暫定的にCollemaとされているものとみられる.(文献1)
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【外部形態】地衣体は鱗片状,直径1~2cm,繰り返し分枝し,ロゼット状となる.裂片は類線形,幅1~1.5mmほど,先端は丸い.背面は黒褐色から暗緑褐色で光沢はなく,平滑で,末端の裂片では多少とも突出する.裂芽を欠く.腹面は地衣体中央部を中信にリゾハイフェの集合する固着部位が点在し,末端の裂片は浮き,背面より淡色,多少とも樋状に窪む. 子器は裂片中央から類縁部に生じ,概ね無柄,直径0.5~1.2mm,縁部は厚さ(表面観)約0.1mm,全縁.子器盤は赤褐色,やや光沢があり,粉霜を欠き,はじめ平坦,のちに顕著に突出する. 【内部形態】果托は偽皮層を欠く.果殻は繊維菌糸組織.子嚢層は85~100µm.子嚢胞子は15~19×6~7µm.(文献1を一部改変) |
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【化学成分】- 【分布と生態】岡山県・高知県.石灰岩に直接付着する.(文献1)
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コバノイワノリ/小葉岩海苔 Collema texanum Tuck., Amer. J. Sci. Arts, ser. 2, 28: 200 (1859); Degelius, Symb. Bot. Upsal. 20: 54-60 (1974). |
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【異名等】Collema coccophorum auct. non Tuck.; 吉村,原色日本地衣植物図鑑: 229 (1974). |
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【文献1】原田 浩.2023.石灰岩生地衣類(3).広義イワノリ属(Collema s.lat.).Lichenology 22 (1·2): 43–57. |
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執筆:原田浩,2024.1 | |||||
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