#486 Synalissa symphorea (Ach.) Nyl. | |||||
石灰岩生の微小な樹状地衣であり,ラン藻地衣(シアノバクテリアをフォトビオントとする).分枝は円筒形でごく短く,ほとんど黒いが赤みを帯びるのが特徴.同じSynalissaアカツブノリ属で日本から知られるS. fluviatilis カワアカツブノリは,石灰岩ではなく,飛騨川の河畔岩上でのみ見つかっている.
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【外部形態】石灰岩に固着し,地衣体は円筒形でわずかに分枝し,時に半球形からほぼ球形のクッションを形成し,分枝表面はほとんど黒色だが,赤味を帯びるのが特徴.分枝の先端に裸子器を生じる.
【内部形態】地衣体はゼラチン質で満たされ,フォトビオント細胞が,地衣体表面付近ではやや密に,地衣体中央部ではまばらに分布し,菌糸が網目状になってフォトビオント細胞と連結する.フォトビオントはGloeocapsa(グレオカプサ,単細胞性).子嚢胞子は1子嚢中に8個生じ,単室,無色. |
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【化学成分】- 【分布と生態】本州(伊吹山)・四国(徳島・高知)(文献1) |
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アカツブノリ/赤粒海苔 Synalissa symphorea (Ach.) Nyl. |
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【異名等】― |
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【文献1】吉村庸.1974./ 原色日本地衣植物図鑑./ 349 pp., 48 pls. / 保育社,大阪市.
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執筆:原田浩,2021 | |||||
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