本種は主に亜熱帯に分布するモジゴケ科で，子器盤が鮮やかな赤色であることで際立っている．他に以下の特徴がある：　地衣体は黄褐色を帯びた灰緑色で光沢があり，子器はわずかに突出し，地衣体様の組織で覆われ，赤い子器盤を大きく裸出し，子嚢層は朱色で，子嚢胞子は1子嚢中に1個生じ，褐色を帯び，石垣状多室．

【外部形態】 地衣体は黄褐色を帯びた灰緑色，連続し，平滑，光沢がある．子器（リレラ）は多少とも突出し，地衣体様の組織で覆われ，ラビアは開き，赤色の子器盤を裸出する．

【内部形態】（子器横切片）地衣体様の組織がラビア表面を覆い，ほぼ子嚢層に接し，その下端付近にはシュウ酸カルシウムの結晶があり，更に下側は黒色で最下層まで至るとともに，側方に広がる．子嚢層は朱色．子嚢胞子は1子嚢中に1個生じ，115-150(ときに200以上）× 35-40 µm，長円体で，褐色を帯び，石垣状多室（文献１）．

【生態】樹皮着生．

【分布】概ね亜熱帯？．九州（鹿児島）・沖縄（文献１）