#772 Sticta limbata (Sm.) Ach.

Sticta ヨロイゴケ属(文献1)の中で,和名に「センスゴケ」とつくのは本種以外にS. gracilis エツキセンスゴケとS. duplolimbata ヘリゲセンスゴケの2種があり,これら2種はいずれも柄のような構造があって,その基部で基物に固着している.一方,本種には,このような柄はないが,地衣体が基物から浮き上がり先端が斜上するために,このような和名が付けられたようである.この点では,S. fuliginosa コウヤクゴケによく似ており,腹面の盃点も極めて小さい.コウヤクゴケは裂芽を生じるが,本種では,裂片の縁部に沿って粉芽を生じる.

 

【外部形態等】準備中

【化学成分】ー

【分布と生態】北海道~本州(富士山),「針葉樹やナナカマドの樹幹基部に着生する」(文献1).恐らく亜高山帯付近に分布する.

 

コフキセンスゴケ/粉吹扇子苔

Sticta limbata (Sm.) Ach.

【異名等】

【文献1】吉村庸.1974.原色日本地衣植物図鑑.349 pp., 48 pls.保育社,大阪市.

執筆:原田浩,2024